旅行と言えば、観光を目的にする方が多いと思います。
もしくは、その自然風景や景観を見て楽しむだけでなく、温泉のように体感、体験することで旅行を楽しむ方もいらっしゃるかと思います。
その他にご飯、食事が楽しみという方もいらっしゃるでしょう。
今回私が紹介するのは、その食に関することになります。
ずばり、徳島の郷土料理についてです。
かくいう私も旅行好きなのですが、旅行に行った際はその土地の名産と呼ばれる食べ物や郷土料理を食べたくなるわけであります。
この食という観点から、徳島旅行楽しんでいただけたら嬉しいなあと思いました。
ということで今回、徳島出身である私が紹介する徳島の郷土料理5選について記事を書いていきます。
徳島に旅行の際は是非参考にしていただけると嬉しいです。
徳島県の特徴
気候
徳島県の気候は、おもに北(山間部)と南(沿岸部)でそれぞれ特徴があって、北(山間部)は典型的な瀬戸内気候に属し温暖で雨が少ない地域となっており、南(海岸部)は典型的な太平洋気候に属し雨が多い地域で台風や梅雨季節には記録的な降水量になることがあります。
また、面積の約8割を山地が占めており、県西部の山間部では沿岸部に比べ気温の変動が大きく、冬場には大雪になることもあります。
歴史
徳島県の地名は、蜂須賀家政が天正13年(1585年)に新しく城を築城した際、城の名前として徳島城と名付けたのが徳島の始まりです。
「徳」は縁起の良い文字であり、「島」は徳島城が吉野川の河口で川に囲まれた三角州であることから付けられたそうです。
祖谷そば
徳島県の中でも三好市祖谷地方を中心に食されている郷土料理の「祖谷蕎麦」。
麺が太くて短く、そばが切れやすい特徴がありますが、これはそば粉100%でつなぎを使わないためであります。
古来から祖谷地方では祝い事の際には必ずこの祖谷そばが出されますが、麺が切れやすいことから「縁が切れる」として婚礼の時だけは振る舞うことはしません。
素朴でシンプルでありながら、懐かしい味を堪能できます。
ぼうせの姿寿司
「ぼうぜ」とは徳島弁でイボダイのことで、秋頃にかけて漁獲期を迎える魚です。
ちなみに「イボダイ」は、スズキ目イボダイ科に分類される魚の一種で東アジアの温暖な沿岸海域に分布されている魚。
この「ぼうせの姿寿司」は、農林水産省選定の「農山漁村の郷土料理百選」で選ばれています。
加えて、「とくしま市民遺産」にも選定されています。
名実ともに徳島県の代表的な郷土料理の一つと言えます。
ぼうぜ自体は白身であっさり系の味をしています。
徳島県では、すだちと合わせて食べられることが多く、その香りが魚とシャリを引きたててくれます。
地元のスーパーなどでも売られているので、気軽に食べれて美味しさを堪能することができます。
たらいうどん
徳島県阿波市土成町(御所村)の郷土料理である、「たらいうどん」。
名称にあるとおり、「うどん」が「たらい」に入っています。
名の由来は、1931年(昭和6年)に御所村を訪れた土居通次(当時の徳島県知事)が、飯盆に入ったうどんを振る舞われた際にその見た目に対し「たらいの様な器に入ったうどんを食べてうまかった」と感想を述べたことからとされています。
もともとの起源は、かつて林業が盛んだった宮川内谷川流域で、山仕事をする人たちの仕事納めのふるまい料理がルーツと言われています。
うどんは、徳島県のお隣、香川県が有名ですが、雨量が少ない特徴がある吉野川北岸地域において古くから主食として重要な食材として重宝されていたそうです。
雨量が少ない香川県でうどんが重宝されてきた歴史と重なります。
余談ですが、徳島県土成町では、たらいうどんで縁結びを謳った婚活イベントが行われています。
「恋成たらいうどん」として様々なメディアに取り上げられています。
そば米汁(そば米雑炊)
以前、記事にもしたことがある「そば米汁」。
源平の合戦に敗れ、祖谷地方に逃げてきた平家の落人たちが、都をしのんで正月料理につくったことが起源とされているのがそば米汁です。
地域としては、徳島県三好市祖谷地方の郷土料理で、「とくしま市民遺産」及び「農山漁村の郷土料理百選」の1つに選定されています。
徳島県三好市の祖谷地方は、土地が痩せており高い山に囲まれているため稲作に向かなかったため、ヒエやムギの他にソバが栽培されていました。
そういった背景もあって、そば米汁が今日まで食文化として受け継がれています。
そば米のプチプチとした食感、加えてそばの香りに、鶏肉や人参、だしの旨味が合わさって実に美味しいです。
食べてみると分かりますが、やさしい味です。
朝食にもぴったりの郷土料理です。
でこまわし
こちらも以前、記事で書いたことある「でこまわし」。
祖谷そば、そば米汁と同じくこちらも徳島県三好市の祖谷地方に古くから食べ続けられてきた郷土料理になります。
写真にあるように、いろりに串を立てて焼いて食べます。
串に刺さっている具材は、豆腐、じゃがいも、こんにゃくで、味は味噌田楽となります。
名前の由来は諸説あるのですが、串を囲炉裏に立てて焦げないようにくるくる回しながら焼く様子が、徳島県の伝統芸能である人形浄瑠璃の人形(でこ)に似ていることから呼ばれるようになったとか。
祖谷のかずら橋や祖谷地方ではお土産売り場なので買うことができます。
美味しいので記念に是非食べてみて欲しいです。
こういう囲炉裏見るだけで美味しい雰囲気を味わえますよね。
ひとり言
祖母がまだ生きていたころは、ぼうぜの姿寿司にしろ、そば米汁にしろよく食卓に出ていたなあと懐かしく思います。
私が育った家庭だけでなく、他の家庭でも同じような感じなのかなあと思ったり。
食文化って食べ続けられてこそ、次の世代に受け継がれていくものですよね。
あと50年後、100年後もこの食文化が続くと徳島出身の私としてはなんだか嬉しいなあと思います。
こうやって記事を書いて、少しでも多くの方に目に留めてもらい、徳島の郷土料理を体験してもらえたらなあと思います。